どういう訳か、5000mや10000mなど短い距離のタイムが速い若者が、フルマラソンのレースにて、短い距離では絶対に負けないような中高年のオッサンに”完膚なきまでに叩きのめされる”という現象は、市民ランナー界あるあるです^^;
いや、なんなら若いランナーが”おじいちゃん”のようなランナーにだって負ける事だって往々にしてあることは、フルマラソン7不思議の1つなのかもしれない(あとの6つは、誰か考えて教えてください笑)。
サーモン駅伝のアフター、焼肉屋さんでのこと。
走歴3年未満ながら3kmを11分30秒(3’50/km)を切るようなスピードで駆け抜けた40歳代前半の男性ランナー(フルベストは3時間29分)と、10年前に初フルサブ3をした陸上部出身で、現在は訳あってフルマラソンを何年も走っておらず、サーモン駅伝の3kmではキロ4平均ほどで走る走力の50歳代男性がお話していた。
初フルサブ3の人「それだけのスピードがあれば、フルマラソンはもっと速く走れるよ」
走歴3年未満の人「そ…そうですかね^^;」
初フルサブ3の人「だって3000mを11分〇〇秒なんだから、フルマラソンだったら○○くらいでは走れるって。なぜなら…○※△×…」
走歴3年未満の人「は、はい…(少し笑って困り顔 笑)」
こんな感じの会話は、大人になってから走り始めた走歴の浅いランナーと、初めから速かったランナーやレベルの高いランナーとの会話で”ありがち”だったりします。
この2人の認識の”ズレ”は、どこに理由があるのだろうか。
走歴3年未満のランナーからしたら
(そうは言っても速いペースでフルマラソンを走りきれないんだから、出来ないものは出来ないんだよなー)
というところだろうし、初フルサブ3のランナーからしたら
(なんでそんなにスピードがあるのに、フルマラソンで巡航するペースが遅くて、サブ3.5ギリギリのタイムなのかなー)
という純粋な”疑問”というか、もう少しいけるよ!という“応援”という意味合いもあるのかもしれない。
確かにサーモン駅伝のようなアップダウンの厳しいコースでの3000m11分30秒切り(3’47/km前後)なら、フラットな5000mでは19分35秒前後(3’55/km)くらいで走れるだろうし、VDOTは51に近いところの走力であると思われ、VDOT表から見ればフルマラソン3時間7分で走れることになる。
でも走歴3年のランナーは、フルマラソン3時間29分。
この短い距離で出てくるVDOTと、例えばハーフやフルのタイムに大きく差があるというのも、YouTuberの”○ん玉”さんをはじめとして、“VDOTは机上の空論”とする人が存在する理由の1つなのでしょう^^;
手抜きすればまだしもw、全力でやって全ての距離でVDOT通りのタイムを出せるランナーなんて、中々いないと思います(笑)
VDOTが机上の空論であるかどうかの議論はさておき…w
この大きな”差”は、なぜ生まれるのか。
どうしてスピードはすっごくあるのに、フルマラソンは遅いのか。
これをアレコレ書籍を引用しながら説明しようとすると、完全に本体の”ハシルコトブログ”みたいになっちゃいますね(笑)
サーモン駅伝の、アフターの焼肉屋さんに戻って。
私たちは得てして、自らが経験していないことについては”理解が及ばない”ことが多いですよね。
これはもう、しょうがないこと。だって、知らないことなんだから。
自分は出来て当たり前のことでも、多くの人にとっては出来ないことって“ものすごく長所の部分”だったり“才能”だったりするのですが…
自分は普通に出来てしまう”当たり前のこと”なので、意外とそれに気づけないことも多々あります。
初フルサブ3の男性は学生のころ陸上部で頑張ってきた方というのもあり、大人になって走り始めた人とは走歴に大きな違いがあり、それは単純に、それまでの生涯走行距離や速いペースで走ったボリュームの大きな差になります。
マラソンは、その(走歴やそれまでの走行距離・ポイント練習のボリュームの)差が、そのまま各能力のレベルの違いに直結します。
なので大人になって再び走り始めた段階で、すでにフルマラソンを速いペースで走るための基礎的な能力が高かったと思われる”初フルサブ3の人”の感覚。(速く・長く走るための、大事な能力が低い状態でフルマラソンに挑んだことがない)
そして大人になって”初めて”走り始めた走歴3年未満の方の感覚。
その感覚の差は大きな違いがあるため、会話の中での意識のズレというか、これくらいのペースでイケる・イケないのフィーリングの、埋めがたい差が生まれるのでしょう。
幸い私(げん)は”能力ゼロ”から始めて積み上げていった”経験”があったので、走歴3年未満の方の気持ちがとっても良く分かったため、初フルサブ3の先輩に恐縮ながらご説明して…フォローしました^^;
結局、その”意識の差”は、どんな能力差によってもたらされるのかって?
“様々な要因が絡み合っての走力”、であることを前提にはしますが…
急に痩せたって、ランニングフォームを改造したって、3000mのスピードをさらに上げていったって、フルマラソンのタイムは急激に上がっていかないことは明白です。
結局は↓にあるように、閾値ペース以上のランニング刺激で能力が向上するLT(Lactate Threshold)の累積ボリュームが大きくないと、速いペースで長い距離を走るのは不可能だし、このLTへの刺激を与える練習をどれだけ、怪我なく誰よりも早く回復して、次々と実施していけるかが最重要である…ということだけ付け加えさせて頂き、あとはハシルコト本体のブログで^^;
フルマラソン7不思議の、残りの6つ、ご提案を募集中です!(笑)
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